« 水木しげるの妖怪楽園 | トップページ | 認知症高齢者462万人 »

2013年9月12日 (木)

大道芸人と子ザル

私の前を子ザルが後足で歩いています。

まるで1歳から2歳のような幼児の歩き方そっくりで。

子ザルの首には紐がつけられていて、

その端はしっかりとご主人さまである大道芸人の手に握られています。

まるで太閤さんのような陣羽織を着せてもらって、きょときょと回りを見ながら。

何を考えているのでしょうね。

顔は実に人間に似ているのですね。

猿に似た人間もおれば、人間に似た猿もいるのでしょう。

どちらが先かわかりませんが。

猿は人間のように立って歩くものなのか
或いは四つん這いになって移動するものなのか、

一瞬考えましたが猿が立って歩くのはなぜか不自然のように見えました。

大道芸人は今日も広場で猿の演芸を見せるために連れて歩いていくのです。

数か月前、私は初めて猿の演技を見ました。

低い段からだんだんに高く、子ザルの背よりも高く飛んだり、
懸垂をしたり、ジャンプをしたり。

私はセルシー広場で偶然に見て、物珍しく、

演技が終わるまではらはらしながら見ていました。

失敗すると「こんなことでくじけてはいけません。

はい、もう一度チャレンジ」などとご主人にいわれ、

また失敗したりすると、「まだまだです。はい、チャレンジ」といわれ、

完全にできるまでやっていました。

ときどき台の角に身体をぶつけながら。

私は子ザル(1歳)に、心の中で頑張って!頑張って!と応援し、

演技が終了すると、感激して拍手し、財布の中を捜して、

残っていた1000円ほどのお金を子ザルの持つ笊の中に入れたのでした。

家に帰って

「ねえ、猿の曲芸って見たことある? 私は見たのよ!」と夫に得意顔で報告。

夫は勉強中、「いや、知らないよ」。

猿の曲芸は千中でも珍しいことでした。

けれども、それから何度も、それこそ何度も違った人たちが

千中の広場で行き交う人を相手にやっている姿を見るようになりました。

それは私が感激して見た数か月後の今も、
夏の暑さがまだ残っている広場で続いています。
猿演芸の若者集団が近くに寝泊まりしているような感じです。

私の感激は急速に薄れていきました。
むしろ、子ザルの運命に悲しみを持ってしまって。
1歳を過ぎた子ザルはどうなるのでしょうか。

(数日前も子ザルは自前の毛のコートの上に衣装を着せられて、
同じようにハードな演技をしていました。
子ザルは少しも大きくなっていませんから、
また別の子ザルが演技をしているのでしょう。
なぜか私は見ておれなくなり、目を背けて去りました。)

 

 

2013年9月12日

« 水木しげるの妖怪楽園 | トップページ | 認知症高齢者462万人 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1880059/53231660

この記事へのトラックバック一覧です: 大道芸人と子ザル:

« 水木しげるの妖怪楽園 | トップページ | 認知症高齢者462万人 »

無料ブログはココログ