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2014年5月14日 (水)

養母へ・・・母の日に感謝をこめて

母の日に、二人の亡き母のために白い花を買った。

二人の母に感謝するために。

自分の子供でもない私を育ててくれた養母へ

感謝を捧げます。

*********

「私は死んでも必ず復讐してやる。(養父に)この怨みを書き残す」と養母は

自分の人生をノートに書いたり、録音テープに吹き込んだりした。

しかしせっかく書いたノートもテープも養父が捨ててしまったので

殆ど誰も読まなかったし、聴きもしなかったが。

********

養母(私の叔母)は、幾世代も続いたK村の地主の長女であり、

すごく裕福というわけではなかったが、恵まれた環境で育った。

それなりの誇も持っていた。

彼女は優秀だった。女学校ではトップ、常にリーダー格。

あの当時、英語で全校生徒の前で話せたという。

優秀なお姉さん、妹たちは尊敬し憧れて、自慢だった。

県の青年の代表として、東京に全国青年会出席した人。・・戦前の話

のびのびと自由活発に育った彼女。

しかし、おおきな試練は恋人と引き離されたこと。

身分違いの恋だということで。

彼女は泣く泣く見合い結婚へ。

何でも教授の弟とか・・・それなりの釣り合いを考えた結婚。

しかし、その人には結婚前から愛する人がいたそうな。

養母の結婚は破局。2歳の娘をおいて、実家に帰る。

養母は子供と最後の写真を撮り、

その写真を終生持ち続け、養母亡きあとは私が持ち続けた。

哀れなその小さい娘・・・うわさではその後売られて死んだそうな。

******

そして再婚。かつてあれほど身分違いの結婚を反対されたのに、

今度は軍人ということで・・・どういうことでそうなったのか。

身分も環境も全く違うもの同志の結婚。・・・そして京城へ

敗戦による引き揚げですべてを無くして日本へ帰る。

そして子供な無い叔母は私の実の父(養母の兄)の娘(私)を預けられた。

というのは、私の母が病気になったから・・

困った実父が実妹に世話をたのんだらしい。

実の父は妻を亡くし、責任ある地位のため、終戦直後の後始末で大変。

子供どころではなかったようで。

そうして私はそのまま、世話になり、

小学校入学前に養子縁組となったようである。

何かわからないうちに、兄の子を押し付けられたというわけなのか。

私が可愛いわけだったのでもなく、ただ子供がいなかったということで。

養母は私の顔を見るたびに、自分の別れた小さな娘を思い出したであろう。

だから、私が可愛いどころでなく、

時には悲しみを思い出させる存在だったのではないか。

今では気の毒だと思うが。

養父のリストラによる失業・・・そして慣れない商売。

元軍人と元地主の娘の商売。成功するほうが稀有なこと。

家の中は戦場そのもの。

これが実の両親ならば、反抗の矛先をどこにもっていったかわからないが、

幸いに、「私はあなたがたの子供でない」という思いが、
私のプライドを保っていた。

*********

商売というより、事業が軌道に乗ったのは、15年も過ぎた頃、

とうとう恐ろしい日がやってきた。

「この人のどんなことでも許す。女性問題だけはないから」といっていた養母。

しかし、20年前から愛人がいたのである。発覚した後の養母の苦悩と狂乱・・・

誇り高い気質がとうてい肯定することはできなかった。・・・裏切り

あれだけの苦労をしてやってきたのに、

養父の暴力、罵声、・・そしてその後遺症で養母は死んだ。

愛人の発覚から、3年しか生きていなかった。

心身を極限まで衰弱させた死だった。(養父はすぐ再婚)

その最後の3年間、私の二人の子のお産を手伝ってくれ、

細かい世話をやいてくれた。

実母が生きていたらやってくれたであろうことを、

心をこめて、愛情をもって。

「私の務めだから」と。そして下の子が6か月になったとき

突然逝ってしまった。

死に顔には微笑があった。

養母は死によって、解放されたのだ。(怨み、憎悪から)

こわい人であったけれど、(結婚が不幸だから)

最後の3年間にありったけの愛情を注いでくれた。

死に顔のあの微笑。愛娘が迎えにきてくれたのだろうか。

ササキヨウコ・・・彼女の娘。

養母と小さな娘のことを思い出すと今でも涙が浮かんでくる。

有難う。あなたが死んでから、私は毎日思い出していた。

最後には本当の娘のように愛してくれた。

ありがとう。本当にありがとうございます。

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この世は疲れましたね。あなたは今安らかでしょうか。



2014年5月14日

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