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2016年9月15日 (木)

№187. ユダヤ戦記より

*フラウィウス・ヨセフス

紀元37、8頃生まれました。

ローマ皇帝カリグラが即位した年です。

高貴な家系の出身であり、父方は祭司、母方の祖先はハスモン王家です。

秀才の誉れ高く、14歳の頃には

祭司長や指導者が教えを乞いに来るほどでありました。

ヨセフスは穏健派であったが、戦乱に巻き込まれ、

自ら指揮官となって戦うがローマの捕虜となります。

そのとき、将軍ウェパシアヌスのもとに引き出されたヨセフスは

彼が皇帝になることを予言します。

それは現実となり、帝位についたウェパシアヌスはヨセフスを解放し

その保護のもとにローマで貴族となり、

この時代の唯一の詳細な歴史を書き残しました。(第一級の資料)



和平を願いながらも反乱に巻き込まれ、

捕虜から皇帝の客分となり、ユダヤ人の憎悪を買う反面、

民族の歴史を弁証することにつとめた運命の人ヨセフスでした。

自分の祖国ユダヤの滅亡を最後まで見届け

それを後世に残してくれました。

最期のマサダの戦いは悲壮です。



*ヨセフスはしばしば同国人から非難されましたが、

ヨーロッパのキリスト教徒に親しまれ、聖書と並んで愛読されてきました。

レンブラントが不幸な晩年を送って死んだとき

残されたわずかな遺品のうちに聖書とヨセフスの書物があったといいます。
・・・「ユダヤ戦記1」より

************

山本七平さんの会社「山本書店」発行のユダヤ戦記1-3巻を完読しました。

ヨセフスの文献はいろいろな所で参考にされ、

今でも古代の超一級の資料とされています。

読破したのはまだ古代誌の一部とヨセフス戦記だけですが、

他のものも手に入れて読んでいくつもりです。

ユダヤ戦記は普通の戦記物語ではありません。

読みながら、時には絶句し、

耐えられない思いになりながらも、読み通しました。

ネロ、クレオパトラ、アントニオ、シーザー、

オクタヴィアヌスのことも詳しく記されています。



ユダヤは西暦70年、国を失ったのです。

ヨセフスは洞窟の中に隠れているとき、

同胞であるユダヤ人たちに指揮官として必死に自殺を止めています。

聞き入れられなくて、結局くじでお互いを殺していくことになるのですが、

そのときに言ったヨセフスの言葉の中に



「諸君は知らないのか。自然の法則に従って、

この世の生命を与えたもうた神が

その生命をご自身のもとに返されることを望みたもうときに、

神から受けた負債である生命を返済する者には

永遠の栄光がついてまわる。

彼の家や親族はともに安泰であり、

死んだ者の魂も汚れのない従順な魂として存続し、

天において最も聖なる場所がわり当てられるのだ。

そしてその魂は時の流れの後

、輪廻転生、再び罪のない肉体に宿ることができるのだ。」とあります。
ユダヤ戦記2 P156(山本書店出版)



ユダヤ教はキリスト教と同じように

「輪廻転生」を否定していると思っていたのに、

律法にも精通し、歴史家であるヨセフスが

はっきりとこのように書き残していることに驚きました。

書物全体にも感動を受けたのですが、

このヨセフスの言葉は私の中に深く入り、

そのまま受け流すことはできないようです。

 

2016年9月15日

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