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2016年10月23日 (日)

学ばなければわからない

最近「ディアスポラ」という本を読み終えました。
上下2巻で、800ページ余りのかなりの量の本です。
これも七平さんの山本書店から出ました。
古い本で絶版となっていて入手するのは難しいかもしれませんが、
もし手に入るようでしたら、ぜひお読みくださいとお勧めしたいです。
著者はウェルネル・ケラーです。
ディアスポラユダヤ人の古代から現在までの歴史です。


第一ページにこう書かれています。
フリードリヒ大王
「君は私に一つの反論の余地のない神の証明を示すことができるか。」

アルジャン候ジャン・バプティスト・デュボワイエ
「はい、陛下、ユダヤ人です。」


また
「われらは今、あまりに長い年月にわたって
盲目であったことを認めざるを得ません。
それゆえもはやあなたの選びの民の麗しさを見ることはなく、
その顔のどこにもわれらの長兄の面影を認めることはできません。
われらの額にはカインの刻印があります。
何世紀もの間、われらがあなたの愛を忘れたがゆえに、
アベルは血と涙の中に低く臥してきました。
われらがユダヤ人という名前に対して誤って呪いをかけたことを許したまえ。
二度までもあなたの体を十字架につけたことを許したまえ。
われらがわれらのなせることを知らざりしがゆえに・・・」 
       法王ヨハネス二十三世 死の直前に書かれた懺悔の祈り(1963年)
 ( *第二バチカン会議の画期的な展開に貢献。その人柄と功績は今も親しみをもって語られる。近代教会最高の名教皇。)


この書物を読んで、今まで考えていたことが大きく変わりました。
逆説の日本史ということばがありますが、
まさに逆説のキリスト教史とでもいいましょうか。
私は本の感想や私見はあまり書かないようにしてます。
本を読んでの感想はあくまで個人的なことなので、
ある人にとっては私と同じ見解ではないかもしれないし、
読む前から他の人の感想に影響を受けることは
あまりいいことだとは思わないからです。
10人読んだら、10人ちがう。100人読んだら100人ちがう。
そうであるのが当然だと思います。


ただこの本は耐えられない思いを何度もし、沈黙し、溜息をつき、
人間とはいったい何なのだろうと思い・・・
「神様、なぜですか?」と何度も問いたくなりました。
人間がお互い同士仲良く助け合うことができる世の中、
生き方は無理なのでしょうか。
インターネットの発達等によって、
世界の出来事はどの民族も知ることができるようになりました。
もちろん、正しい報道がされるかどうかはありますが。
昔よりははるかに他国の人々の生活がわかり、理解できるようになりました。


様々な風習と生活様式のちがい、宗教のちがい、
学ぼうと思えば居ながらにして学ぶことができます。
それぞれが自分の生き方や信条を強調し、
他を認めなかったならどういうことになるかということ、
その結果はいかなる災禍をもたらすかということも
考えてみればわかると思うのですが。
人間とは何ですか?
 冒頭の重い内容の本は人間の底知れぬ闇を開いてくれました。
それは地獄の門が開いたようでした。
人間の心の内部には、平常は見れない暗い闇が澱のようにあるのでしょうか。
それはまるで地獄絵図です。
そしてその思いは一人一人の内部から生じてくるのです。
人間とは何ですか?


*************

参考まで
・・・人間の宗教形態は人智の進化につれて、低俗なプレアニズムの段階から、
アニミズムの段階へ、そして多神教へ、さらに
・・・単一宗教を経て高等な唯一宗教へと上昇していくと捉え、
この過程の中で、多神教は、劣った克服しなければならない宗教形態であり、
やがて人智が進むにつれて一神教のみが生き残ると考えた。
・・・特にキリスト教的西欧思潮が全世界の模範的理想であると信じる人々は
多神教の意義を不当に軽視してきた。
けれども今日では、西欧思潮の源流自体が多神教的であるばかりか、
キリスト教やイスラム教の中にも多神教的因子が
事実生き残っていることがますます自覚されつつあるように思う。
・・・両者は価値の高下というより、
それぞれの宗教がおかれた文化的、歴史的条件に左右された宗教形態、
宗教の在り方として理解すべきであることが認められてきた」
カトリック大辞典(多神教より)


2016年10月23日

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