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2017年8月26日 (土)

することがないの!

朝8時過ぎ、ときどき会って話をするMさん(71歳)がやってきました。
朝が早いので何ごとかと思って戸を開けると、
「賞味期限が今日だけど・・」といって
いただきものをもってきてくれました。
でもそれはついでのことで、
本当は「話す人がいないの。毎日何をしていいのかわからないの」でした。
玄関の戸半開きのまま、20分ほど話ましたが、
彼女の心の奥底にある暗闇のような寂しさを私にはどうすることもできません。


一見何も不自由してない生活、
ご主人は怒ったこともなく、優しい人。
70歳の今も仕事に出ておられる。
彼女は結婚以来、専業主婦、
子供も立派に育て、良い子ばかりで何も問題なし。
ただ夫婦間には殆ど会話無しだそうです。
何がどこに不満があるのか・・
ただ彼女は社交性があまりなく、そして唖然とするのは、
子供の頃から大好きなこと、
夢中になったことは一度もないという珍しい人。


だから今も興味を持つものはなく、
家がいつもきれいでないと落ち着かないので、家はいつもピカピカ。
本一冊なし。新聞も読まず、テレビも見ず、本も読まず。
関心は家の掃除と娘と孫のことのみ。話はそれだけ・・
私にはあまり興味がないので、話題に困り・・


実はこのようなタイプの人は多いのです。
8年前に亡くなった私の従妹で元ピアノ教師。
ご主人のいない間に、
「今何しているの? 私は何もすることない!」と
悲鳴にも似た電話をたびたびかけてきました。
「何かすることないの?」と聞いても、何もないと言います。


原因は何かよくわかりませんが、
薬漬け、精神不安定、話もはずまず。
それでも従妹なので、共通の話題は探せばあるので、
1時間くらい話していましたが。
生活は豊か。子供は立派な所に就職。
真面目なご主人。謹厳実直を絵に描いたような人。
彼女自身も親から受け継いだお金も十分すぎるほどある。
どうしてこんな叫びが出てくるのか。
ただ夫婦の会話は無し。
顔もあわさない家庭内別居でしたが。


彼女はテレビが友達だった。
そしてある日、寝たままの姿で
死んでいたのをご主人が見つけたということです。


老いた女性が今日もにぎやかに歩きまわっています。
でも家の中でじっとしている人もいます。
一見ちがうようで、実は心の奥底に何ともいえない闇の部分を
かかえている人が多いのではないかと思ってしまいます。
まぎらわそうとして、人と接触してみても、
一人になればその闇の部分がまた浮かんでくる。
辛く、寂しく、悲しく、解決できなくて、さらに沈殿していく。


60歳では何とかなるにしても
70歳で「どうしたらいいの?」と言われても、
それまでの人生の総決算のとき、
そのまま人生の終着へと行くしかないのではと思います。
男性のことはよくわかりませんが、根本には夫婦問題があるように思います。


仲の良かった夫婦は一人になっても、
亡き人の思い出というか霊というかいつもいっしょのようです。
毎日仏壇の主人に話したり、
何十年たっても花をささげたりしています。
未亡人になっても落ち着いたいい表情です。
会話がない夫婦はどんなことかよくわかりません。
毎日2時間以上も私は夫と話していますから。
生きる方向が同じだからかもしれません。


70歳、80歳になった方々、
新しいことは若いときから変化を恐れない性格ならいざしらず、
無理かもしれませんね。
せめて自分の伴侶に対して理解と暖かい心を持って生きていきましょうよ。


2017年8月26日

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