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2018年7月 7日 (土)

本、言葉の紹介 「人生の秋に」

春秋社発行 「人生の秋に」ヘルマン・ホイヴェルス神父

カトリックの祈祷書「祈りの友」を読んでいたら、巻末の方に、
「最上のわざ―熟年者の祈り」とあり、
ホイヴェルス神父の「人生の秋に」からの美しい詩が載っていました。
「この祈りの友」は、洗礼の記念に神父から頂いた)
・・下記にあります・・


2014年から始まったカトリック入門講座に
一人の80代と思われる学者風の方が熱心に来られ、
必ず神父さまの身近に席をとっておいででした。
誰とも話はなさらず、勉強の後は難しい質問を神父になさり、
他の人たちはまたかという顔で、その方から離れていました。
どうしても隣に座らざるを得なくなって、
私たち夫婦はその方に話しかけました。
大阪大学の名誉教授でした。
シェイクスピアの大家でした。


元教授と毎週講座の終わったあと、
駅までの10分ほどの道を話しながら帰りました。
教授は洗礼志願者申し込みが近づくときこんなことを言われました。
「実は私は研究のために、ここへは偵察に来たのだよ。
でも、いつの間にミイラ取りがミイラになったように、
受洗したいと思うようになった。
カトリックに入りたいと思って家族に言ったら、大騒動になって・・・」と。


悲しそうでした。
特に奥様の強い反対で。
先生は心臓も悪く、歩くのもゆっくり、ゆっくりでした。
私も文学のこと、特に西洋文学の話ができてとても嬉しかったのです。
その後、私たち夫婦は別の教会に移りました。
(カトリックは自由に移動できる)


先生から、一冊の本が送られてきました。
「一冊あまっていたので、送ります。
お話をした時間、私にとって至福の時でした」
・・あまっていたにしてはよく読まれた本のようでした。
愛読書だったのです。
そして、ホイヴェルス神父の詩がありました。
S先生の心境そのままであり、
私のこれからを指し示す、輝石のような言葉でした。


********

最上のわざ―熟年者の祈り
 ホイヴェルス神父 人生の秋に


この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり、
働きたいけれども休み、
しゃべりたいけれども黙り、
失望しそうなときに希望し、
従順に、平静におのれの十字架をになう―。


若者が元気いっぱいで神の道をあゆむのを見ても、ねたまず、
人のために働くよりも、謙虚に人の世話になり、
弱って、もはや人のために役たたずとも、
親切で柔和であること―
老いの重荷は神の賜物。
古びた心に、これで最後のみがきをかける。
まことのふるさとへ行くために―


おのれをこの世につなぐくさりを少しずつはずしていくのは、
真にえらい仕事――。
こうして何もできなくなれば、
それを謙遜に承諾するのだ。
神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。
それは祈りだ―。
手は何もできない。
けれども最後まで合掌できる。


愛するすべての人のうえに
神の恵みを求めるために――。
すべてをなし終えたら、
臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と――。



2018年7月7日

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