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2018年8月 2日 (木)

本、言葉の紹介 岩下壮一師

澤田昭夫教授の「見えないものを大切に」という本の中に、
尊敬すべき人として岩下壮一師のことが書かれていて
早速ウキペディアやその他で調べてみて、
ただただ、驚きと賛嘆とそして感謝でした。
このような方が日本にかつていたのかと、信じられない思いでした。
ヨーロッパの哲人とも方を並べられる方
、いやそれ以上の方ではないかと日本人として誇りたい気持ちになります。


今、西洋の一番の賢女といわれるヒルデガルトの本の英文を
翻訳機の力を借りながら読んでいます。
そしてその教えを真実であると思います。
その教えを私は基軸として
(なぜなら、ヒルデガルトはこれは神からの啓示であるとしている)
あらゆる思想に照らしています。
それはなかなか一致したり、調和したりすることはあまりないのですが、
岩下壮一司祭の書物、
特にカトリックの教えは本当によく似ています。


岩下神父の経歴はあまりにもすごくて、簡単にはまとめられません。
英語、仏語、ラテン語は日本語なみ、
そしてヘブル語、ギリシャ語、そしてドイツ語も。
生まれられた家庭も飛びぬけて、頭脳も秀才を飛び越えて、
そして何よりもカトリックの深い信仰、
それに基づく功徳の生活。
知識と愛の両立を全うされた方。


今、私はヒルデガルトの教えと共に、
岩下壮一師の全著作を買いそろえ、夫とともに勉強中です。
何しろ今度は日本語です。
こんなに素晴らしい書物の数々、これ以上の幸福はありません。
これは何とかして今一度多くの人が読めるように
という願いがふつふつと沸いてきました。
夫はヒルデガルトの本の訳文を出したいと
毎日何時間も翻訳に励んでいます。


そしてもう一人の偉大なる魂の持ち主、
岩下壮一師の著作も
今一度全巻復活すべきだと思いを募らせています。
カトリック教徒を問わず、
現代人の生きる指針となることまちがいありません。
すでに、岩下壮一師の著述は下記のように立派な本が出ています。


「カトリックの信仰」 講談社学術文庫、筑摩書房
「信仰の遺産」 岩波文庫 
「人間の分際」小坂井 澄 聖母文庫

**********

・・・現代人は物事の裏側を見たがり、
どんなに光輝を放つ対象でも
一応は疑いぶかくその裏面をのぞかずにはおられぬようだ。
かれらの詮索眼によって、時には偉大と称する人物も、
その醜悪面をあばかれ、
人々の失望と嘲笑をかう場合もないわけではない。
そしてそのような性癖が昂じた結果
あまりに世俗の「事実」を知りすぎた人々は、
容易に「真実」を信じようとしないのである。


他人に対する不信、社会に対する不信、
さらには神に対する不信仰も、
実はこんなところにきざしているともいえそうである。
しかし岩下師のような人物こそは、
どれほどに意地の悪い現代人の詮索にも、
決して裏面の汚点をさらすものではない。


師の高度な知的活動の裏には、
口さきだけの利己的な知識人の非行動性は見られなかった。
そこにはただライ者への絶え間ない奉仕があるだけだった。
またこのライ者の友としての愛の活動の裏には、
偽善的な自己顕示の影はみじんも見られなかった。
そこにはただ日本の思想界に
カトリシズムの市民権を得させるための研学の熱誠があるだけだった。


そしてこの師の両面の活動の中軸となったものは、
常にキリスト教の信仰であった。
実に師にあっては、考えることと信ずることと行うこととは、
常に一つであった。
なぜならば、師が思索し、信仰し、行動することは、
すべてただ一つの目標、すなわちキリストを愛し、
人を愛すということ以外にはなかったからである。

  岩下壮一一巻選集  

「知と愛と信仰」ドイツ文学者、上智大学教授 増田和宣(故)より 抜粋



2018年8月2日

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