文化・芸術

2013年10月 6日 (日)

ワーグナーの「ニーベルングの指環」

私は音程の不確かな、というよりも音楽のことなど少しも知らない音楽音痴です。

クラシックを聴いても、ショパンがどれで、チャイコフスキーが何で、

モーツアルトがどんな曲で、なんて恥ずかしいけれどよくわからないのです。

でも歌を歌うことはできなくても、聴くことは好きです。

 

WOWOWでメトロポリタンのワーグナーの「ニーベルングの指環」を

放映していましたので、意を決して、観ました。

録画してみますので、何日もかけてみました。

何と16時間です。

オペラに興味を持ったのではなく、

「ニーベルングの指環」を見たかったのですが。

私がこの「ニーベルングの指環」に興味をもったのは、

北欧神話が大好きだからです。

神々や英雄、地の精や水の精と、

想像をかきたててくれる楽しいロマンあふれる世界だからです。

またワーグナーの曲は、勇気を与えてくれます。

 

さて、「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」

「神々の黄昏」とお話は続きますが、

全部良かったという人もおれば、ここは特別に凄かったという人もいて、

それぞれお気に入りの見せ場があるそうです。

私は最後の「神々の黄昏」で

ブリュンヒルデが炎の中に愛馬と共に消えていく場面が

とても印象に残りました。

あらゆる欲望は燃え盛る炎の下に消えていくけれども、愛は死にはしない。

ジークフリートの亡骸を燃やす火の中に敢然と身を投じるブリュンヒルデ。

死によって愛するジークフリートと一つになるのだと

・・・愛による勝利の歌を高らかに歌うブリュンヒルデ。

ブリュンヒルデはワーグナーの作曲オペラ「ニーベルングの指環」で

悲劇のヒロインとして語り継がれることになったのですが、

もう一方ではジークフリートに裏切られ、

嫉妬と憎しみに狂った彼女は、自分の夫となったグンターを唆して、

ジークフリートを殺害させ、

自らも胸に短剣を刺して果てるという説もあります。

いずれにしてもジークフリートを愛した彼女自身が

ジークフリートを死に追いやったことにまちがいはありません。

時代にかかわらず、出自にかかわらず、

愛憎の歴史は今も昔も変わりありません。

 

ジークフリートは神々の長であるヴォータンの孫であり、

彼の母はヴォータンのの娘です。

ただし、ヴォータンが人間族の女に産ませた娘です。

ブリュンヒルデは

ヴォータンが知の精エルダに産ませた純粋なる神族の娘であり、

またワルキューレ(戦場に遣わされる女性戦士)でもあります。

 

このニーベルングの指輪の内容は

よく知っている方は沢山ありますので省略しますが、

輝くラインの水底から盗まれた聖なる黄金で造られた指環は

地の精の呪いがかけられました。

その指輪を持つものは死を免れないと。

それでもその指環が引きつける魔力の虜となって、

激しい争奪戦が繰り広げられるのです。

指環は富と支配権力の象徴であり、

神族、巨人族、地の精がそれをわが手のものににしようと

あらゆる策謀をめぐらします。

その結果がジークフリートとブリュンヒルデの悲恋物語となるのですが。

凡人にはわからないのですが、あのように権力と富は心を動かし、

魔性へと変貌させてしまうものなのでしょうか。

歌の一つ一つ、言葉の一つ一つが深い哲学のような言葉であり、

人生の真実を教えられる言葉でした。

実に深い意味を持った神話物語です。

それにワーグナーの最高の曲で表されるのですから、

私のような門外漢のようなものでも感動して、

曲が夢の中にまで現れてきそうです。

 

変わりなき日常生活の中で、16時間の「ニーベルングの指環」は

私を想像の世界へいざなってくれました。

神族、巨人族、地の精、水の精、知の精など、

ワーグナーの曲と共に今も私の内部で躍動しています。

特にブリュンヒルデの美しいソプラノが私の頭の中で鳴り響いています。

 

 

2013年10月6日

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